チェックすべき初期症状
腫れと出血そして痛み
がんは症状が進行していくと、患者本人の肉体的苦痛は避けられないものになってきます。がんの種類によっては、殆ど初期の段階では症状の出ないものもありますが危険なシグナルは出来る限り見落とさないようにしたいものです
がんが発生すると、しばしば「腫れ」という症状がでてきます。この中にはがんによって形成された腫瘍が、皮膚の近い部分にできるような場合には患者本人の手で確認できるものがあります。近年発症数が増えている乳がんでは、自己触診によって異物を確認できる場合があるのです。確定診断は専門の医療機関の検査に委ねる必要がありますが、周辺の手触りと明確に感触が異なりますので、ときどき自己触診を行って違和感があるようでしたら早目に診察を受けることをお勧めします。同じく、甲状腺がんも前頚部に腫れものができることでがん発症の可能性を察知できる場合があります。
次に、発症したがん腫瘍によっては、その部位に閉塞症状が出現する場合があります。主に管状の臓器に現れる症状で、例えば大腸にがんが発生した場合には、便の通りにくくなっての便秘や、便自体が細くなる症状が見られます。 また、がんによっては黄疸が見られるケースがありますが、これは胆汁と呼ばれる肝臓の消化液の流れ道のどこかが発生したがん腫瘍によって通過障害になってしまい、黄疸(皮膚が黄色くなる症状)になってしまうのです。
また、がんを発症すると様々な部位で出血が見られるケースが多くなってきます。がん細胞は他の細胞よりも新たに大量の酸素と栄養素を必要とします。このために新生血管と呼ばれている新しい血管を多量に作り周辺の血流を引き込もうとするのです。問題はこの新生血管が、通常の血管と比較して血管壁が弱く、ほんの少しの刺激で出血しやすくなることなのです。つまり、がんが発症すると通常ではあまりないような出血が見られることが特徴と言えるのです。例えて言うと、肺や気管支の部分にできたがんでは血痰が見られ、腸の部分にできたがんでは血便が見られるのです。胃がんによる出血では、消化管を通過していく過程で血中に含まれる鉄分が酸化されて黒い便(タール便)となって出現します。これが女性特有のがんになると、子宮がんの場合では血性のおりものや過多月経といった症状になって現れてくるのです。がんが進行してくると、次第に痛みが伴ってきます。
この痛みは一様ではなく、発症部位によって大きく異なってくるものなのです。まず、がん自体から発生する痛みとしては内臓の発生部位からの直接の痛みがあります。内蔵の各臓器などが腫瘍によって閉塞すると、器官の壁の部分にある平滑筋の収縮によって痛みが出てくるのです。他には、がん組織が大きくなることにより筋膜や腹膜などが急激に引き伸ばされて発生する痛みがあります。このようにがんは人間の様々な部分に堪え難い痛みをもたらしますが、同様な症状は血管内にも出現してくるのです。血流にのって運ばれた血管の中にがん組織が浸潤すると、その血管の収縮で激しい痛みが起こってきます。転移が拡大していくと、このような各部位の痛みが同時進行で発生していくのです。