チェックすべき初期症状
多様な発症部位による初期症状
この項のタイトルに「多様な発症部位による初期症状」と書きましたが、多様な初期症状の意味もあります。まず、がんによる発症部位別死亡率で男性では1位、女性でも2位の位置にある肺がんの場合を例にその初期症状を見ていきましょう。
まず、この肺がんの発生初期にははっきりとした自覚症状がないことを覚えておいて下さい。初期症状が確実に自覚できないために早期発見が困難で、はっきりとした肺がんの症状が現れている場合には既にある程度進行しているケースが多いのです。日常生活の中で、血痰や数日以上も続くな咳や胸の痛みがあったら、すぐに専門病院で、胸部レントゲンや喀痰細胞診検査を受けることが必要です。肺には血流が多くがんになれば出血しやすく、血痰が出ます。とは言っても肺がんによる血痰は、ほんの少しの血液が混入していることが多く見逃しやすいので注意が必要です。
咳は肺以外の気管や気管支などの気道に肺がん特有の病変があると出現しやすくなり、この咳は長い期間継続して、しだいに悪化していくのが特徴となっています。次に呼吸困難ですが、医学的にはこの段階になるともう初期症状とは言えない位に肺がんが進行していると見られています。 肺内部にがんが進行して組織が大きくなってくると、肺の体積が減少するために血中酸素濃度が低下して呼吸困難が出現してきます。また、気道内に腫瘍や分泌物が増加して空気が通過しにくくなる気道閉塞による呼吸困難も多く現れてくるのです。その他には、胸痛、発熱などが肺がんの特徴的な症状と言えるでしょう。この項の最初に、肺がんにははっきりとした自覚症状がないことを書きましたが、これは他の多くのがんにも言えることなのです。
次にがんの死亡原因の上位になる消化器系のがんについてですが、肝臓や膵臓などのように初期の段階では殆ど自覚症状のないものも多く、確実に症状を自覚できる段階になると進行してしまっているのは肺がんと同様です。これらの消化器系統のがんに共通していえる症状は、食欲不振、体重の減少、倦怠感、患部の痛み、吐き気などが挙げられます。胃や大腸、腎臓などにがんを発症すると血尿や血便なども見られてくるのです。
女性特有の乳がんでは患部のしこり、子宮がんや卵巣がんでは出血を伴う症状がおきてきたら要注意と言えるでしょう。少しでも身体に異常を感じたら早目に病院の診察を受けることを心掛けて下さい。がんで命を落とさないためには、がん発生を防ぐ「一次予防」と、早期発見のための定期的な検診受診の「二次予防」が何より求められているのです。