がん(悪性新生物)の概要

語源と呼称

日本人の死亡原因は1981年以降、常に「がん(悪性腫瘍)」がトップに挙げられています。この、発症すれば長く苦しい闘病生活を強いられる事の多い難病と、人間はどのように戦ってきたのでしょうか。


かって猛威を振るった結核や肺炎などは、医学の進歩により、著しく発病を押さえ込むことに成功しました。医療現場の技術と医療機器の進化は、この数十年で目覚ましいものがあります。以前は開腹手術しか選択肢のなかった疾患の内の幾つかは、現代において内視鏡による簡単な手術によって行なわれ、患者の肉体的負担の軽減や術後の早期回復に大いに寄与しているのです。


このように現代の医療は様々な進化により、多々ある疾患の発病の抑止、発症した後の治癒に大きく貢献していると言えるでしょう。がん治療の現場においても、検査段階や手術現場での医療機器の発達、研究による治療法や薬物の進化は以前に比較して格段にこの難病であるがんに対して効果的に機能しているように見えます。しかし、前述したように、がんは今だに死亡率での1位の座を譲っていないのです。


この、人類最大の難敵の病気であるがん(悪性腫瘍)は、人間の体内において隣接する組織内に浸潤したり、あるいは転移を繰り返しながら、身体の至る所で増殖しながら生命を脅かす疾病と言われています。このがんは、遺伝子の変異によってもたらされる病気と言われていて、社会一般的には癌(ガン、英語でCancer)、または悪性新生物、悪性腫瘍の呼称でも呼ばれています。


がんとして知られている悪性腫瘍ですが、病理学的には悪性腫瘍の分類上で「癌腫(上皮腫」のことを表しているのです。「がん」を英語で表すCancerは、星座の蟹座(Cancer)と同じ単語であり、これは乳癌を表す呼称とも同一なのです。古代ギリシャの医師で近代医学の父と呼ばれるヒポクラテスが、乳癌で発生する腫瘍の形が蟹の脚状の広がりを見せていたところから「蟹」を意味する古代ギリシャ語で記述したのが、がん(Cancer)のもともとの語源とされているのです。