終末医療、そして光
ホスピス
現代の日本でのホスピスとは、主に末期がん患者に対する緩和治療を行う医療施設の意味で呼称されています。 ホスピスの歴史は中世ヨーロッパの時代に、旅する巡礼者を小さな教会が宿泊させたことから始まります。
そうした巡礼者の中で、体調不良などで旅立つことが出来なければ引き続き教会に留めてケアや看病をしたことから施設全般をホスピスと呼ぶようになったのです。教会で病気の巡礼者達の看護にあたる教会関係者の献身はホスピタリティと呼ばれ、そこから現代の病院を意味するホスピタルという言葉が生まれたのです。
20世紀に入り、身寄りもなく治療方法もない余命僅かな患者の、最後の安息に満ちた時間をサポートする施設がイギリスやアイルランドに現れ、これが近代ホスピスの始まりと言われています。
日本では40年ほど前の1973年に、ホスピス・ケアを行う最初の病床が大阪の淀川キリスト教病院に設けられ、さらに独立した病棟としては、1981年に浜松市の聖隷三方原病院でホスピス(緩和ケア病棟)が最初に開設されています。この両病院は1990年に日本では初めてになる緩和ケア病棟として正式に承認を受けているのです。
このホスピスで行われる終末期医療と看護のことはターミナルケア(Terminal Care)と呼ばれ、末期がんの患者に対していたずらな延命を目的とせず、身体的苦痛や精神的苦痛を軽減することが最大な目的とされています。これは痛みや苦しみを軽減させる医療的処置(緩和医療)に加え、患者の精神的サポートを特に重視した総合的な措置を中心に行なわれているのです。