多種多様ながん
消化器のがん
消化器系のがんと言うと代表的なものに、食道がん、胃がん、大腸がん、肝臓がん、膵臓がんなどが挙げられます。発症原因が食生活に大きく関係するこれらのがんですが、それぞれの臓器がお互いに影響しあう働きをもつ消化器系疾患はトータルで考える必要があります。
まずは食物が最初に通過する食道に発症する食道がんから見ていきましょう。食道は、食物を胃に送る働きをしていて、食物を食べると食道の壁が動いて食べ物を胃に送り込むのです。食道がんは発病率、死亡率ともに男性が女性の5倍以上と顕著に高くなっていて、発症原因としては飲酒及び喫煙が最も大きなものとされています。また、食道がんにおいて、熱いものを飲んだり食べたりする食習慣がリスク要因になっていることも言われています。
次に男女ともにがんの部位別死亡率の第二位とされる胃がんですが、この胃がんは胃の粘膜から発生するケースが殆どです。胃がん以前に比較して食生活の変化や検診の普及で減少傾向にはありますが、それでも日本人にとって特に身近ながんの1つといえます。胃がんは加齢とともに罹患率が上昇することが言われていて、ちょうど会社で定年を迎えた年齢でがんが発生しやすくなっているようです。早期胃がんでは殆ど自覚症状がなく、定期的な検査を継続して行うことが重要なのです。
そして、近年日本でも食生活の欧米化に伴い、非常に増えているのが大腸がんなのです。この傾向を踏まえ成人病検診の中に大腸がんの検診が導入されることになっています。ただ幸いなことに、大腸がんは他のがんに比較して転移の速度が遅く、早期発見、早期治療によって完治の可能性が高いといわれています。ですので、便に血が混在している、残便感がある、こんな自覚症状のある方は出来るだけ早目に大腸の検査を受けることをお勧めします。
その他に消化器系のがんとしては、発症原因の殆どがウイルスによるものと言われている「沈黙の臓器」と呼ばれる肝臓のがんが挙げられます。この肝臓には痛みを自覚する痛点がなく、初期の段階では自覚症状がなかなか出にくいという特徴があります。では肝臓がんは予防策がないのでしょうか?肝臓がんは肝炎ウイルスが殆どの原因と言われ、ウイルスの内で約9割がC型肝炎ウイルス、残りの1割が肝炎ウイルスと言われています。肝臓がんはこれらのウイルスが原因で発症し慢性肝炎や肝硬変を経て、20年以上の長い年月を経過して発症するケースが殆どなのです。肝炎や肝硬変を発症している方は肝臓がん対策として、普段から検査を定期的に受けておくことで予防策になり、早期発見できる可能性も高まり、発症しても完治できる可能性が高まるのです。もう一つ、食道がんや胃がんと同じく、喫煙と飲酒が原因とされるがんに膵臓がんがあります。膵臓はインシュリンを分泌して血糖値をコントロールする働きがありますが、この膵臓に負担をかけるのはやはり日常の食生活といえます。暴飲暴食は勿論ですが、一般に知られていない負担をかける要素に「よく噛まずに飲み込んでいる」食事スタイルがあります。よく噛まずに流し込む食事スタイルは食物が充分に租借されずに胃に入り込むので 、インスリンが一気に放出されて、その結果膵臓に負担がかかっていきます。これが毎日の習慣になっていくと、次第に膵臓にダメージが蓄積されて糖尿病や膵臓がんのリスクになってしまうのです。毎日の食事を良く噛んで食べる習慣にするだけで、膵臓がんのリスクを下げることになるのです。簡単なことを毎日少しずつ実践することが、健康維持に繋がっていくことを覚えておいて下さい。