発生要因

微生物

医療技術の発達した現代でも難病と言わざるを得ないがんですが、その原因の20%はウイルスと言われています。このウイルスは自分自身で増殖をすることは不可能なので、他の動物の細胞組織に取りつきウイルスを細胞の内部に侵入させ、その過程でがん遺伝子を活性化させてしまうと言われているのです。


がん遺伝子を活性化させる発がんウイルスには多くの種類が存在しています。その因果関係が確認されているものとして、性行為や哺乳による感染が多いとされているHTLV-Iウイルスと成人T細胞白血病、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスを発症原因とする肝ガン、EBウイルスから引き起こされる悪性リンパ腫、性交渉が感染経路とされるパピローマウイルスと子宮頸がんなどの関係が知られています。


それ以外でも、身近に存在するサイトメガロウイルスやインフルエンザウイルスなどもがんの発症を誘発するウイルスとされているのです。


これらの発がんウイルスが正常な細胞をがん細胞へと変化させるには、がん遺伝子とがん抑制遺伝子の両方を損傷、あるいは変異させる必要があります。最も多いと言われている変異のプロセスは、ウイルスが細胞の核の遺伝子にプロウイルスという形式で取り入れられる形です。これらの働きによって、がん遺伝子、がん抑制遺伝子を攻撃して細胞の分裂周期を無限にしてしまい、がんの発症にと繋がっていくのです。


このプロウイルスというのは、ウイルスの遺伝子が細胞のゲノム(遺伝子の集合体で人体の設計図のようなもの)に取り入れられた状態のウイルスを意味します。微生物である発ガンウイルスは、人体のメカニズムに巧妙に入り込み、がんを引き起こす大きな要因になっているのです。